前回は、東京トイボックスについての記事を書きました。
今回はその続編「大東京トイボックス」についての感想をまとめます。
大東京トイボックス概略
- 2006年より漫画雑誌「コミックバーズ」にて連載されていたマンガ
- 作者はうめ
- 「東京トイボックス」の続編
- かつて超有名タイトルを手がけたゲームプランナーが独立し、当時のトラウマやしがらみを乗り越えて魂を込めたゲームを作り上げていく話
- 2012年マンガ大賞受賞
大東京トイボックスを読み始めると、なぜか天川と月山が普通に付き合っているかのようなでもそこらへんはっきりしないような感じで始まります笑。そこはっきり書いてほしかったですが…
シリーズ全体として、ゲームが人に与える影響みたいなものが描かれているかなあという感じです。このシリーズのキーとなる人物は、アデナウアー。7巻あたりで、彼の背景がわかってきたあたりで、ストーリー的にもおもしろくなったなあと感じました。
私的ポイント
アデナウアーに隠された過去
東京トイボックスや大東京トイボックスの前半では、構図としてはまだまだ主人公の天川VSソリダスワークス仙水。
それでは物語がある程度広がりきったので、新たに敵対する人物が登場します。それが、アデナウアー。
彼はシリーズの途中で、ソリダスワークスの中の人間として登場します。
上でもちらっと述べましたが、後半になりアデナウアーの過去にフォーカスがいき始めてからがおもしろいです。
彼自身、子供をゲームの影響で亡くしています。そんな彼はゲームを憎んでいるのか、それとも…
浮き上がる仙水と天川の友情
アデナウアーという共通の敵の出現、そしてソードの新タイトル制作に向け、これまで敵対していた仙水と天川の友情?というか絆の結びつきが強くなっていきます。
2人は過去にある約束を交わしています。
それがあったからこそ、仙水は今までこんな行動を取ってきたのだなあというのが後半になってわかってきます。
10巻(最終巻)の最後の、ゲームのエンドロールに無敵コマンドを入力すると…というくだり、こういうの好きです。
現実にも通じる、ゲームの与える影響について考えさせられる
現実世界でも近年、自殺を助長するゲームをプレイした子が次々と自殺を図るといった悲しい事実があります。今作は、作る方の倫理観が厳しく問われる現代に通ずるものがあります。
それこそ課金を煽ると言われるガチャや、未成年の課金などイメージのよくないゲームに関するニュースはよくあります。
一方で、少しでもその業界に身を置いたからこそわかりますが、ゲームによって自信が持てたり、物語の中にあるようにモモは実際にゲームによって救われていたり、そういう側面もあります。
何のためにゲームをつくるのか?という問いが投げかけられています。
まとめ
以上、「大東京トイボックス」のポイントをまとめてみました。自分好みのマンガだと思った方はぜひ読んでみてください。