今回はアートなマンガ、ブルーピリオドについて、まだ3巻しか出ていないのですが、おもしろかったので感想をまとめてみました!
「ブルーピリオド」概略
- 月間マンガ雑誌「アフタヌーン」にて連載されているマンガ
- 著者は山口つばささん
- 勉強もできなんでもそつなくこなすイケメンの主人公が、ある日一枚の絵に心を奪われ、美術の世界にのめり込んでいく物語
作者のネット上にあった山口つばささんのインタビュー記事には、ブルーピリオドを書き始めたきっかけについて、下記のように書いてありました。
当初は「美術を楽しいと思ってくれたらいいな、敷居が高くなくなると良いな」という気持ちがありました。一方で、マンガにすることで「美術やりたくないな」と思われるのは嫌だなとも。
もともと山口さんの実体験をもとに書いているみたいです。
私的ポイント
努力を当たり前にする主人公を応援したくなる
主人公がかなりの努力家なこと、そして努力を当たり前にできていることにとても好感が持てます。
元々、やんちゃな男友達とつるんでいながらも家ではきちんと勉強をして成績も優秀という容量の良いタイプ。素人には、一見感性がすべてと思われる美術の世界でどう戦っていくかというのもおもしろいです。
才能がある人の絵を見てへこんだり衝撃を受けたり。自分の絵の上達を褒められて素直に喜んでいたり。そういうなんだか等身大の、親近感のわくキャラクターです。
美術部に入部してから、夏休みの課題として1日1枚絵を書くということに対しても、簡単なように見えて実は続けることが難しいことを当たり前にやってのけるところを見ると応援したくなります。
絵を描くことが楽しくて、わくわくしている主人公。それまでそつなく送ってきた人生から美術の道に進み始めたとき、「俺の心臓は今動き出したみたいだ」というセリフにこちらもわくわくさせられました。
なかなか実態を知らない、美術の世界が興味深い
「美術は文字じゃない言語だから」
このセリフを読んで、とってもわくわくしました。周りにそういう友達がいないとなかなか知ることがない美術の世界。
以前、東京藝大に関してのおもしろそうな本を見かけましたが、本当にそのとおりで実態がしれないというのが印象です。
作中で出てくる絵はいずれも実際に作家さんなどの絵を用いているようで、作品の中にクレジットがでていますし、それぞれの美大の特性とか絵を描く道具とかの説明がマンガの中であり単純に知らないのでおもしろいです。
上にも書きましたが、一見感性がすべてなのかなと思うこの世界。でも主人公は感性というポテンシャルもあるのですが、それ以上に客観的に自分の実力や相手の実力を把握でき、それに対して自分が何を武器に戦えばいいのかというかなり戦略的な考えをしています。
主人公がそうだったように、絵を書き始めると世界の見え方も変わるんだろうなあと思いました。
ただ、気になるのはこの先の展開。今は圧倒的に難易度の高い東京藝大の受験に向けて試行錯誤をしていますが、もうすぐ受験が終わってしまいます。
その先大学へ進学してからどうなるのか、新たなライバルが出現する?レベルの高い仲間に囲まれて壁にはばまれる?コンクールかなにかに向けてまたレベルアップする?
いずれにしても、この3巻であまり触れたことのない美術というものの新鮮さや難しさみたいなところが書かれていると思うので繰り返しにならないかが読み続けるかどうかの分かれ目だなと思います!
まとめ
以上、ブルーピリオドのポイントをまとめてみました。
このポイントを読んで自分好みのマンガだと思った方はぜひよんでみてください!