マンガ「キングダム」が52巻発売を記念して始めた
「今、一番売れている、ビジネス書 #キングダム経営論」の特設ページを見て
と思ったことから始まったキングダム各巻の振り返り。
本日は第3巻についてです。
強くて美しい、楊端和に学ぶ会です!!
第2巻については前回の記事を御覧ください。
それでは、早速いってみましょー!
第3巻「多様性社会のリーダーシップ」
第3巻の大まかなあらすじ
山界の王の城にたどり着いた政たち。
政がここに来た目的は、玉座を奪還するために、山界の王に山の民の力(兵力)を貸してもらうため。
しかし山界の王は、過去に秦にされた仕打ちへの恨みにより力を貸すことを拒み、逆に恨みを晴らすために政や信たちの首もはねると言った。
一体どんな仕打ちに対して恨みを持っているのか。
今から遡ること400年。話は当時の秦王、穆公の時代にまで戻る。
穆公と山の民は前回の記事で紹介したように、強固な信頼関係を築き盟を結び、山の民はそれまで入ることも見ることもできなかった平地の土地におりるようになっていた。
山の民は、平地で見る都市や建物に新たな文明を感じ、それまで山に限られていた自分たちの世界が広がっていく実感を持ったのだった。
新しい世界に触れることは山の民にとってもわくわくする喜ばしい経験であった。
しかし、その喜びは長くは続かなかった。
穆公が亡くなってしまってからというもの、かつての盟はどこへいったのか、山の民は平地の民に追い立てられるようにして山へ戻っていくことになった。
さらに山に戻ってからも執拗に追いかけ殺され、その惨劇は耳を疑うほどひどいものだったという。
その恨みを今こそはらさなければならない。
そう主張する山界の王に対し、政は言う。
恨みは連鎖となりいずれ自国を滅ぼす。
恨みよりもこれから為すべきことに目を向けるべきだ。
民を分け隔てることで軋轢がうまれる、ならばいっそすべて(国境)を統一してしまえばいい。
さらに信も、漂のことに重ねたのか、新たな世界を夢見て殺されていった山の民の無念を晴らすべく、恨みを晴らすのではなく彼らの夢を現実にするべきだ、と語る。
2人の説得に心動かされた楊端和は、政に協力し秦と盟を結ぶことを決意した。
その後、秦の王都咸陽を目指す一行。
政や信は、山の民の仮面をかぶり見事咸陽の王宮への潜入に成功した。
ここに今、戦いの火蓋がおとされた。
多様性社会のリーダーシップとは何か?
さて、楊端和は数多くの種族が存在する山の民を束ねるという意味で、多様性社会におけるリーダーです。
今回の巻から楊端和のリーダーシップについて学べることはなんでしょうか?
それは、
①多様さを分け隔てるのではなく包括する
②過去に固執せず真の目的のために行動する
ということだと思いました。
①多様さを分け隔てるのではなく包括する
これは、政が話しているセリフから読み取ることができます。
引用:キングダム第3巻 原泰久/集英社
異なる人々を分けるから、違いが明確になり軋轢や摩擦によって争いが生じる。
分けずにすべてをまとめて争いをなくせばいい、そう政は考えています。
そして、この考え方は楊端和もやっているはずなのです。
この巻では詳しく述べられていませんでしたが、それまで多数の種族がそれぞれで争っていた山の民を一つにまとめあげ多様性が共存するコミュニティをつくりあげたのは他ならぬ楊端和だからです。
政や楊端和はそれを武力によって統一しているのでその点は現代とは異なりますが。
②過去に固執せず真の目的のために行動する
これは、信に説得されたシーンから読み取ることができます。
引用:キングダム第3巻 原泰久/集英社
楊端和は、ずっと「世界を広げたい」と思っていました。
引用:キングダム第3巻 原泰久/集英社
それは、彼女自身の望みでもあるし、かつて平地へ出て行った祖たちの抱いていた夢でもありました。
楊端和はその夢を実現するための方法として、戦でも和でも構わないと考えていました。
しかし他の多くの山の民は、過去に秦にされた仕打ちに対して恨みを持ち秦を侵攻して世界を広げるべきだと考えていたしそれを受けて楊端和自身も恨みを晴らすべきと考えていたのでしょう。
しかし、信の上のセリフを聞き、過去の恨みにとらわれるのではなく自分たちや祖の夢を叶えるという部分に真に向き合えたのか、そのためには、戦ではない。過去のしがらみはあるけれど、政の率いる秦に協力をすることがすなわち自分たちの世界を大きく広げることになると判断したんだと思います。
その後の素早い決断と行動にはやはりリーダーとしてのかっこよさを感じました。
自分たちの真の目的はなにか、過去のしがらみにとらわれていないか、そこを常に問い続けられるというのはリーダーとしてのあり方かなと思います。
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