こんにちは!
今日はNetflixで見たインド映画「マダム・イン・ニューヨーク(原題:English Vinglish)」のあらすじと感想を書いていきたいと思います。
この記事がおすすめな人
- マダム・イン・ニューヨークを見ようと思っている人
- マダム・イン・ニューヨークのスタッフやキャストについて知りたい人
あらすじ
マダム・イン・ニューヨークを一言でまとめると…
1人の女性が、ある種抑圧された普段の環境から離れ、自分の力で新しい世界に飛び込むことで自信をつけ可能性に溢れる、そんな姿見せてくれる映画
かなあと思います。
はじまり:インドのとある家族
物語は、ある1人のインド人女性(シャシ)が朝のコーヒーを作る場面から始まります。
そばにはお菓子のつめられた箱が積まれ、シャシはヒンディー語で書かれた新聞を読みはじめシャシの優雅な1日の始まり…
かと思いきや義母、夫、子供2人がそれぞれ起き始め、シャシは家事や世話に追われます。
どこにでもある家庭の風景が進んでいったかと思えばふっと空気感が変わります。
子供が「ジャズダンス」と言ったのに対してシャシが「ジャアズダンス」と言ったからです。
そう、シャシは英語を話すことがあまりできずシャシ以外の家族(夫と子供2人)は英語を話すことができるのでなにかにつけて少し小馬鹿にされているのです。
日常:尊重されないシャシ
シャシは、料理がとても上手でインドのお菓子ラドゥ作りをさせたらピカイチ。
その腕を活かして家で作ったラドゥを学校や近所に売っているので自営業をしている、行動力のある素敵な女性です。
しかしそのお菓子売りも夫には尊敬されず中々認めてはもらえません。
また、子供は英語で話す学校へ行っています。
学校の先生との面談日にはいつも英語の話せる夫が行っていますがたまたま夫が仕事で忙しく学校へ行けなくなってしまいました。
子供は、先生とヒンディー語で話されるのが恥ずかしく母親であるシャシに来なくて良いと伝えます。
そこはシャシが「私も親なのよ」と言って面談に行くことになりますが、やはり学校でヒンディー語で話されるのが恥ずかしかった子供は、「パパがよかった!」とシャシに言ってしまい、またシャシは暗い表情になります。
物語の序盤では、こうしたシャシが家族から尊重されていない、そんな場面が映し出されます。
展開:シャシは1人でニューヨークへ
ある日、ニューヨークに住んでいるシャシの姉(もしくは義姉?)の娘が結婚式をするという知らせが入りました。
シャシはその準備を手伝うため、他の家族よりも先に1人でニューヨークへ行くことに。
もちろん1人で外国に行くなんて初めての経験です。
色々な不安を抱えてニューヨークへ着いたシャシは、ある日バスに書かれた広告を目にします。
「4週間で英語が話せる」という広告です。
姪のラーダはその広告を見て嘘でしょ〜?という一方シャシはその広告を見てちょっとでも英語が話せるようになりたい!と思ったのでしょう、語学学校に電話してみました。
こうして自分で一歩踏み出したことによって、語学学校に通うことになったのです。
また、語学学校のクラスメイトのフランス人には想いを寄せられます。
学校に通い英語を学び始めたシャシですが、学校に通っていることは姉や家族には内緒です。
姪のラーダにはバレてしまいますが、ラーダはシャシにとても協力的で応援してくれます。
毎日学校へ行くシャシでしたが、思いがけず予定より早く家族がニューヨークへ来てしまい、日中授業へいけなくなってしまいました。
家族が来てからも、ラーダに協力してもらい家族と観光中に抜け出して語学学校に行ったシャシでしたが、そのタイミングで子供が怪我をしてしまい、「家族より自分のことを優先するなんて」とシャシはとても落ち込んで学校へ行くのをやめてしまいました。
ラーダや語学学校のクラスメイト・先生は、シャシが学び続けられるよう応援しますがどうなるのでしょうか…?
スタッフ・キャスト
監督:ガウリ・シンデー
引用:http://www.tvlife.jp/pickup/30861
なんとこの作品、監督は女性の方なんですって!
知らなかった。
確かになんか、この作品って情景やシャシの細やかな感情の動きがよくわかる映画だなあと思いました。
監督はこの作品について下記のように語っています。
人間関係において、誰が優れていて誰が劣っているのかって、自分の頭の中で決めることだと思うの。だから、ある程度、自分が尊敬に値する行動をすればそう見てもらえるし、逆に自分が「私は誰かに従う人間だ」と思うと、そういうふうにとられてしまう。人間のあり方を描いている作品よ。
女性だからこそ作れた映画なのかなと思います!
主演:シュリデヴィ・カプール
引用:https://eiga.com/news/20140626/6/1/01/
タミルナードゥ出身の女優でなんと4歳でデビュー。
出演作品は300本以上、インド映画界において男性主役なしでも興行的にヒットを飛ばせる珍しい女優だったそうです。
だった、というのは、彼女はマダム・イン・ニューヨークへの出演を最後に2018年ドバイの旅行中に亡くなってしまったそうなのです。
ご冥福をお祈りします…
映画.comの記事によると、映画プロデューサーの夫の友人であったガウリ・シンデーの脚本を読み、出演を即決したそうで、今作品について下記のように述べています。
「母であること、妻であること。それは私だけでなく、多くの女性が共通することです。夫や娘がこの映画のように自分を扱っていないとしても、ほかにも多くのこと、献身的な母であり、妻であるならば誰しもが心を寄せる部分があると思うのです」…「この映画はメッセージの伝え方がモダンだと思うのです。いわゆるメロドラマに走るわけでもなく、喜怒哀楽を激しく表現するわけでもない。また、長いセリフ回しがあるわけでもありません。ですから、さりげなさ、その繊細さがこの映画の美しさなのです」
個人的な感想
感情の機微がよく表現されている
主演のシュリデヴィさんも言っていますが、この映画には派手な演出はありませんし私が今まで見てきたインド映画のような大胆なわかりやすさもありません。
主人公のシャシがどういう感情になっているのか、そしてそれが微妙な表情だったり微妙な行動だったりに現れていて他のインド映画にはないんじゃないかな〜と思いました。
これも女性監督だからこそ、なんですかね。
英語が第2言語である日本人が共感しやすい
英語を話せなくて恥ずかしい…
話せない自分は他の人より劣っている…
話せないから話さないでおこう…
このように周りが当たり前に話す言語を自分が話すことができない、という状況は日本人の人も多く経験したことがある状況ではないでしょうか?
そういう点で、この映画は外国語を学習する人にとって共感しやすい物語だったなと思います。
決めつけられても違う場所で輝ける
この映画を見て思ったのは、普段会社で働いていてもこういう状況ってあるよなあ、ということ。
例えば一つのコミュニティ内で、周りのみんなができるのに自分にできないことがあったとします。
そうすると、自分は周りの人から少し見下されてしまう。
「この人はできない人なんだ」と決めつけられてしまう。
でも、それが=人間の価値ではないし、それで人として尊重されないコミュニティであれば立ち去ったほうが良い。
今回でいうとシャシは、家庭内ではあまり尊重されていなかった。
でも、ニューヨークの語学学校でお菓子づくりができることを起業家、として認められたし、できなかった英語に対しても取り組み自信をもつことができました。
せまい世界で決めつけられた自分が自分ではない、自分にはもっともっと可能性がある、そう思う大切さを感じました。
初めてのインド映画にもちょうど良い?
本編が、2時間13分とインド映画にしては短いのです。
また、通常のインド映画って結構脈絡なくいきなりキレッキレのダンス踊ったり、よくわからないギャグとかセリフとか結構あってなじみづらいかもしれません。
でも、この映画だったら本編が短いのに加えて、さきほど言ったように日本人にとって共感しやすい部分があるので感情移入してあっという間に見れてしまうんじゃないかな〜と思いました!
まとめ
以上、あらすじ・キャスト・感想を書いてきました。
最後にこの映画をおすすめしたい人を書いておきます。
この映画をおすすめしたい人
- 外国語を勉強しようとしているそこのあなた
- インド映画は初めてというそこのあなた
- 歌って踊るインド映画はちょっと…というそこのあなた
- ちょっと自信をなくしているそこのあなた